10月14日追記:WindowsPostgreSQL 9.5 Beta 1に付属のpsqlなら文字化けせず、9.4のサーバにも使えます。詳細はこちら。

要約:
こちらにあるoctave-4.0.0_0.zipを解凍してすぐ使えます(binフォルダの中)。英語固定なのはpsqlのヘルプなどインターフェイスだけで、日本語のクエリやデータ取得は普通に可能。日本語インターフェイスにこだわらなければ一番手軽なpsql文字化け解消策かも。ついでにGNUPLOTでグラフ描いて遊べるよ^_^
Contents


WindowsGNU Octave 4.0(ポータブル版)ダウンロード

GNU Octaveはオープンソースの数値計算・統計処理用言語で、MATLAB(高価な商用ソフト)の互換ソフトウェアとしてある程度有名。長らくメジャーバージョンが3.xで基本的にCUIだけでしたが、今年5月に出たバージョン4.0からGUIも付きました。詳細は下記を参照。

»OSDN : GUIがデフォルトになった数値解析ソフト「GNU Octave 4.0」が登場
»GNU Octave(公式サイト、英語)

上の公式サイト → Download → Windows版へのリンクを開くと、
Windows用のFTPサイトに行きます(冒頭に書いたリンク先もここ)。インストーラとポータブル版(ZIP)の両方あり、今回、後者をダウンロードしたらpsqllibpq.dllなど関連ライブラリが入ってました。


Rと同様、Octaveもいろんなパッケージで機能追加でき、その一つにデータベース接続があってPostgreSQL用のモジュールもあるので(下記参考)、その関連でpsqlとかが付いているのかも。

»Dirk Eddelbuettel : Octave modules to access Postgres


使用例

GNU Octave本体はスルーして付属のpsqlをテスト。上のZIPを適当な所に解凍し、binフォルダをカレントとしてコンソールを起動したらすぐ使えました(PostgreSQLサーバは別途立ち上げ済み)。以下のスクリーンショットはコマンドプロンプトでなくConEmuの画面ですが、動作はどちらも同じ。
::コンソールの文字コードを確認。日本語版Windowsなら普通932(Shift JIS)
chcp

:: psqlのバージョン確認
psql --version

:: psqlでデータベースに接続。ヘルプに関するメッセージが英語
psql -U postgres

::スキーマ一覧を表示。タイトルが英語
postgres=# \dn

::ヘルプを表示。これも全て英語
postgres=# \?


上のように、コンソールの文字コードとかWindowsの言語に関係なく、このpsqlのインターフェイス(ヘルプ、列名、メッセージなど)は全て英語で、その意味で文字化けと無縁。一方でサーバが返すデータやメッセージは、クライアント側のエンコーディング設定が適切なら日本語等も問題なく表示されます。↓
::クライアント側のエンコーディング確認
postgres=# \encoding
SJIS

::日本語を含むクエリ
postgres=# SELECT 'あいうえお';
  ?column?
------------
 あいうえお
(1 row)

::わざとエラーになるクエリ。メッセージの言語はサーバの初期設定による
postgres=# SELECT rand();
ERROR:  function rand() does not exist
LINE 1: SELECT rand();
               ^
HINT:  No function matches the given name and...

::メッセージ言語を日本語に変更。エラー表示がきちんと日本語になった
postgres=# SET lc_messages TO 'Japanese';
SET
postgres=# SELECT rand();
ERROR:  関数rand()は存在しません
LINE 1: SELECT rand();
               ^
HINT:  指定名称、指定引数型に合う関数がありません。...
::ローカライズされた曜日名。言語はサーバの初期設定による
postgres=# SELECT to_char(now(), 'TMDay');
 to_char
---------
 Tuesday
(1 row)

::日付/時刻のロケールを日本語に変えて曜日名を表示。問題なく表示された
postgres=# SET lc_time TO 'Japanese';
SET
postgres=# SELECT to_char(now(), 'TMDay');
 to_char
---------
 火曜日
(1 row)


本家(PostgreSQL 9.4.1付属版)との比較

もしかしたら9.4.1より後では直っているかもですが、WindowsPostgreSQL 9.4.1の本家(EnterpriseDB社のインストーラ)とポータブル版では、psqlのインターフェイスが ↓ のように文字化けします。この件と対策は前のブログで書いたとおりで、ライブラリのintl.dllを別のものに差し替えればOK。


文字化けとは別に、この本家版psqlでインターフェイスを英語にするには、コンソールの文字コードを437等に変える必要があります。そうすると普通のWindowsコマンドプロンプトではフォントも変わってしまい、日本語が使えなくなって面倒。前項のような「インターフェイスは英語のみ、クエリ・データで必要な時だけ日本語」が、意外と難しい。今回のOctave付属psqlではそれが簡単、というか常にそういう動作です。

↓ 本家版とOctave付属版のファイル詳細と、
Dependency Walkerで依存ライブラリを見たところ。Octave付属版(右側)がintl.dllを使ってないことが分かります。


psqlからGNUPLOTを実行して遊ぶ

psqlが入ってるGNU Octavebinフォルダにはグラフ描画言語GNUPLOTがあるので、psqlから呼び出して遊べます(もちろん別々に実行しても同じ)。グラフ画像は冒頭の再掲です。
:: \!に続けて任意のコマンドラインツールを実行できる
postgres=# \! gnuplot

        G N U P L O T
        Version 4.6 patchlevel 7    last modified Apr 2015
        Build System: MS-Windows 32 bit

        Copyright (C) 1986-1993, 1998, 2004, 2007-2015
        Thomas Williams, Colin Kelley and many others

        gnuplot home:     http://www.gnuplot.info
        faq, bugs, etc:   type "help FAQ"
        immediate help:   type "help"  (plot window: hit 'h')

Terminal type set to 'windows'
gnuplot>
gnuplot> plot cos(x) #別ウィンドウにグラフが出る
gnuplot> quit        #終了してpsqlに戻る
postgres=#