PostgreSQL 9.5のIMPORT FOREIGN SCHEMAをPostGISで使う（1）

今日から3回に分けて、PostgreSQL 9.5の新機能IMPORT FOREIGN SCHEMAを使うメモ。外部サーバに接続してスキーマごとデータを一括インポートできて便利♪ 作業は全部終わってますが、画像が多いので記事を分けます。今日はpostgres_fdwインストールまで、明日からPostGISを使用。

実行環境
参考サイト
postgres_fdwインストール
外部サーバに接続してIMPORT FOREIGN SCHEMA（2015.8.5）
インポートした外部テーブルをローカルにコピー（2015.8.6）

実行環境

昨日と同じで、仮想マシンのCentoOSに入れたPostgreSQL 9.5 Alpha 1を使います。ホストOS：Windows7 32bit ゲストOS：CentOS7 64bit 仮想化ソフトウェア：Portable VirtualBox

作業も昨日同様、ホストOSのSSHクライアントまたはpgAdminから。それにはVirtualBoxのネットワーク設定とか必要で少し面倒ですが（下記参照）、やること自体は普通のCentOS上と変わりありません。

参考サイト

今回使うpostgres_fdwと、これを含むPostgreSQLの外部データラッパ（Foreign Data Wrapper, FDW）に関する日本語の解説が下記にあります。

PostgreSQL 9.3 新機能：postgres_fdw(2013.3.12)
9.3で進化した外部テーブル(2013.6.8、第26回しくみ＋アプリケーション勉強会)
DB Online - PostgreSQL9.3 開発と運用を支える新機能(2014.2.28)
PostgreSQLの他データベースにアクセスする仕組み（FDW(Foreign Data Wrapper)編）(2014.5.28)
PostgreSQL 9.4.0文書付録F. 追加で提供されるモジュール - postgres_fdw

PostgreSQL 9.5 Alpha 1の公式ドキュメント（英語）で、今回関連する所は次のとおり。

IMPORT FOREIGN SCHEMAの使い方は下記を参考にしました。すでに1年以上前に開発中のPostgreSQL 9.5に備わり、テストされてきた模様。

Michael Paquier - Postgres 9.5 feature highlight IMPORT FOREIGN SCHEMA(2014.7.11)
select from depesz - Waiting for 9.5 – Implement IMPORT FOREIGN SCHEMA(2014.7.14)
2nd Quadrant - PostgreSQL 9.5 IMPORT FOREIGN SCHEMA(2015.5.19)

postgres_fdwインストール

postgres_fdwというのは、PostGISと同様、PostgreSQLの機能拡張の一つです。が、前項に書いたとおり公式ドキュメントの「Additional Supplied Modules」に位置付けられていて、クエリのリファレンスもドキュメント内にあるので、その意味では本体に近い存在。PostgreSQL9.3以降で使えます。最初に、今回のテスト用データベースを作成。ロケールは昨日と同様にCにしました（もしWindowsに持ってくる必要が出たら、UTF-8系のロケールが使えないため）

CREATE DATABASE test_fdw
  WITH ENCODING = 'UTF8'
       TEMPLATE = 'template0'
       LC_COLLATE = 'C'
       LC_CTYPE = 'C';

次に、機能拡張を行うクエリCREATE EXTENSION文を実行すると、ファイルがないとのメッセージ（ERROR: could not open extension control file "/usr/pgsql-9.5/share/extension/postgres_fdw.control": No such file or directory）。これは想定の範囲内で、7月6日の記事でPostgreSQL 9.5 Alpha 1を入れた時、最小限のパッケージだけインストールしたから。

そこでSSHクライアントでCentOSにログインし、パッケージリストを確認。右端で@付きのがインストール済みで、postgres_fdwなど拡張機能が含まれている-contribパッケージはまだでした。

ssh -p 2233 postgres@localhost
[password]
-bash-4.2$yum list | grep postgresql95

postgresql95.x86_64                   9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   @pgdg95
postgresql95-libs.x86_64              9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   @pgdg95
postgresql95-server.x86_64            9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   @pgdg95
postgresql95-contrib.x86_64           9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   pgdg95
postgresql95-debuginfo.x86_64         9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   pgdg95
postgresql95-devel.x86_64             9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   pgdg95
postgresql95-docs.x86_64              9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   pgdg95
postgresql95-plperl.x86_64            9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   pgdg95
postgresql95-plpython.x86_64          9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   pgdg95
postgresql95-pltcl.x86_64             9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   pgdg95
postgresql95-test.x86_64              9.5-alpha1_1PGDG.rhel7   pgdg95

管理者権限になってインストール。昨日のPostGISでは未署名だったので--nogpgcheckオプションが必要でしたが、こちらは不要で簡単に終了。

su
[password]
yum -y install postgresql95-contrib

...
Complete!

EXTENSION関係のフォルダを見ると、確かに入ってました。でpgAdminに戻り、再度CREATE EXTENSIONを実行してインストール完了。

ls /usr/pgsql-9.5/share/extension/ | grep fdw

file_fdw--1.0.sql
file_fdw.control
postgres_fdw--1.0.sql
postgres_fdw.control

CREATE EXTENSION postgres_fdw;

PostGISもインストール。明日、外部サーバから取り込むデータがPostGISのジオメトリを含むからです。通常のPostgreSQLデータ型だけをやり取りするなら不要。

CREATE EXTENSION postgis;

↓ ここまでの結果をオブジェクトブラウザで見たるところ。準備は以上で、明日に続きます。