データを部分的に表示する関数の中で、headtailに比べておそらくマイナーな存在。それには多分理由があって、正直使いづらいです。またWindowsではデフォルトで「1画面ずつ」にならず、optionsを設定する必要あり。というわけで自分も余り使いませんが、その分よく忘れるのでメモ。Windows 7 32bit + R Portable 3.1.2と、CentOS 6.6 + bash 4.1 + R 3.2.0で確認しました(後者は仮想マシンで、Windowsからリモートログイン)。ドキュメントの該当ページは下記です。

»R Documentation : page {utils} : Invoke a Pager on an R Object

まずWindowsの場合。最初にoptionsを下のように設定します。
options(pager = 'more')

pagerというのは、コンソールへの出力を1画面ずつに区切って行うプログラム。デフォルトはinternalとなっていますがWindowsの場合は機能しないので、C:/Windows/System32/more.comを使います。

で、例えばデータフレームiris1画面ずつ表示するには、page(iris, method='print')と入力。↓ すると別の画面が立ち上がり(実体はWindowsのコマンドプロンプト)more.comがデータの1頁目を表示。スペースキーで次画面へ進み、リターンで1行進みます。



表示部分の%が便利とは言え、いろいろ使いにくい点が…。まず、表示されているデータを選択・コピーできません。文字通り「見るだけ」。また、Rが出力したものを単純に1画面ずつ分けているので、横に広いデータフレームは「左上 → 左下 → 右上 → 右下」の順、例えば下のようになります。要するに本当の「上から1画面ずつ表示」でない。


あと、最終頁が見れませんww ↓ の次が最終頁ですが、スペースを打った瞬間に画面が閉じます(more.comがやることがなくなったので、コマンドプロンプトが自動的に終了)。


表示を中止するにはCtrl-Cです。終了と同様、画面が閉じます。page関数のオプション引数でmethod='print'を指定しないと、データのダンプが1画面ずつ ↓ 表示されます。これは使わなそう…



同じWindows上でも、RコンソールでなくConEmuRterm.exeを使うと
(関連記事:67日)、立ち上がる表示画面がタブ化され ↓ 選択・コピーはできるようになります。他の使い勝手は同じ。


次にCentOSですが、上と同じConEmuでリモートログインしてRを起動したので、見かけと機能はほとんど一緒。違うのは(1)optionsでのpager設定が不要、(2)同じコンソール内にデータが表示される、(3)表示を途中終了するにはCtrl-CでなくQを打鍵する(小文字でも可)点です。


同じコンソール内に表示されるということは、終了しないと次のコマンドが打てません。しかも終了したら表示が消滅しますorz まぁそんなpage関数で、使うとしたらWindows + ConEmu + Rterm.exeがいいかも。