要約:昨日後回しにした件。Chromium43単独のPDF出力は、Windowsのシステムフォルダにあるフォントなら正常に表示&埋め込み。両ブラウザ+Acrobat X Proでの出力を比べると、Chromiumは常にアウトライン化、Firefox39Webフォントのみアウトライン化し、他は正常に表示&埋め込み。環境や設定によるので一般化は難しいけど、今回の結果ではFirefoxが一番使えそう。
Contents


実行環境、テスト用Webコンテンツ
• Windows7 32bit + Chromium Portable 43, Firefox Portable 39
• PDF出力 …Acrobat X Proと、ChromiumビルトインのSave as PDF機能。
• Webコンテンツ … 下記3つのHTMLをローカルに置いてブラウザで開く。(ソースは昨日の記事にあり)

ファイル名ボックス横幅フォント(文字サイズ : 36px)
width4inch_meiryo.html96px * 4メイリオ
width8inch_ricty.html96px * 8Ricty Diminished Discord(ショートカットでインストール)
width10inch_noto.html96px * 10Noto Sans Japanes (Web Font) »Google Fonts


ブラウザ上の表示、出力設定
下は昨日の再掲で、3つのHTMLごとにChromiumFirefoxの表示を並べたところ(右/上がChromium)。両ブラウザとも表示はほとんど同じで、唯一違う点は、フォントにRicty Diminished Discord(ショートカットとしてインストールしたもの)を使った真ん中。Chromiumでは、そういうインストール方法のフォントは認識されない、またはパスか何かの問題でショートカット先を辿れないのかも。

HTMLごとに3種類のPDF出力、すなわち①Chromium単独(Save as PDF)、②Chromium+Acrobat、③Firefox+Acrobatでテスト。AcrobatのバージョンはX Proで、設定は下のとおり。


結果
出力されたPDFAcrobat X Proで読み込み、「文書のプロパティ」からフォントを確認しました。下のリンクから各PDFの実物を開けます(昨日の再掲)。
元HTML①Chromium単独②Chromium+Acrobat③Firefox+Acrobat
width4inch_meiryo.html
width8inch_ricty.html
width10inch_noto.html0

出力されたPDFのフォント情報を簡単にまとめると、次のとおり。
元HTML①Chromium単独②Chromium+Acrobat③Firefox+Acrobat
メイリオ(システム内)埋め込みアウトライン埋め込み
Ricty(ショートカット)(表示自体できず)(表示自体できず)埋め込み
Noto(Webフォント)非埋め込みアウトラインアウトライン

この結果からは、Firefox+Acrobatで出力するPDFが最も汎用的に使えそう。特に、ショートカットでインストールしたRictyを正常に表示&埋め込みできたのが嬉しいです。


感想
1) システムフォルダにインストールしたメイリオを使う場合、表示についてはどのPDF出力方法も同じ。ただChromium+Acrobatはアウトライン化されて文字情報が消えるので、困る場面があるかも。

2) ショートカットで入れたフォントでRicty以外が、Rictyと同じ結果になるか不明。とりあえず
花園明朝をローカルHTMLに使ってFirefox+Acrobatで出力したら、Rictyと同様に埋め込めた。

3) WebフォントのNotoがライセンス等で埋め込みできなくても仕方ない(よく知らないけど)。参考まで、有料サービスの
FONTPLUSFAQページでは「ウェブページの印刷、またはPDFへの変換の際のWebフォントの適用については、各ブラウザ・ソフトウェアの仕様に依存します」とだけあり、印刷する側のライセンス的なことは書いてなかった。ともかくアウトライン化できれば、どの環境でPDFを開いても同じ見た目になるのでいいと思う。

意外だったのはChromium単独でNotoHTMLを出力した結果。↓T3Fontで始まる3つのフォントが非埋め込みで使われてて、Acrobatの表示上はNotoだけど、他のPCに持っていったら崩れそう。

4) そもそも、同じAcrobat経由でもブラウザによってずいぶん差があるんだなぁ。